死後事務を委任する、というのは実は変なことなんです。なぜなら委任事務は、委任者または受任者の死亡で終了するからです(民法653条)。
この点、成年後見をつけておくと、後見人が一定の死後事務をしてくれます(民法第873条の2)。
成年後見人は、本人が死亡した場合において、必要があるときは、本人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、
①相続財産に関する特定の財産の保存に必要な行為
②相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済
③家庭裁判所の許可を得て、本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為
をすることができる。
ただ、この規定は「後見人」だけで、「補助人」「保佐人」には、適用がありません。なぜなら、補助人、保佐人が、ご本人が生きている時よりも大きな権限をもつことになるから、だそうです。この趣旨からすると、代理権限を与えられていれば、その範囲の行為をしても大丈夫そうです(明確に規定はされていませんが)。
成年後見もつけていない、けれども子どもなどの親族とは疎遠である、ときに死後事務を委任することはできないのでしょうか。
これについては、今まさに厚生労働省で話し合われていていて、「新たな事業」として位置づけられています(「円滑な入院・入所の手続支援、死後事務支援などを提供する新たな第二種社会福祉事業」だそうです。)このような事業については、都道府県知事に届け出をした事業主体が担っていき、都道府県が事業主体をチェックしていくようです。
参考資料:001557138.pdf
この制度が整っていくまでは、当事務所では、「亡くなった方」だけでなく、「相続人」の依頼があれば、死後事務を行いますが、「亡くなった方」のみの依頼の場合は、死後事務はお断りする予定です。